洞田英樹 記者会見あいさつ文 【令和6年8月28日(水)】
皆様、こんにちは、只今、高村会長からご紹介いただきました洞田英樹でございます。
本日はご多用の中、ご参集いただき、誠にありがとうございます。
私、洞田英樹は、この度、10月20日告示、10月27日投開票の千曲市長選に出馬することを表明いたします。
私は、稲荷山で生まれ育ち、治田小学校、更埴西中学校、長野工業高校、中部大学を卒業し、昭和62年に当時の更埴市役所に入庁いたしました。
今まで、稲玉市長、宮坂市長、近藤市長、岡田市長、小川市長の下で市役所職員として37年と4ケ月勤務し、姨捨スマートインターチェンジの開設、千曲市サッカー場、竹林の湯、白鳥園などの建設事業や信州ブレイブウォリアーズの立ち上げと千曲市のホームタウン化など、様々な仕事を経験し、体験を積ませていただきました。
したがいまして、私は、小川市政の下で経済部長をさせていただき、組織の一員として、小川市長の決定した政策を実行しなければならない立場ではありますが、歴代市長の政策に関わってきた経験から、この4年間の小川市長の政策や市政運営に疑問を持つようになり、現市政に対して、私も部長という経営陣の一人として重大な責任があることから、組織のせいにしていては何も解決しない、自分自身が改革に取り組むほか選択肢はないと考え、千曲市を変えるために出馬を決意いたしました。
ただし、出馬を決意するまで、大いに悩んだことは事実でございます。しかしながら、役人生活の最終章がこんな終わり方でいいのか、後輩職員たちにまた同じ4年間を続けさせていいのか、自問自答し、幸い、私を支持する多くの方々や後輩職員から背中を押していただき、家族の理解も得られたため、立候補の決意をした次第でございます。
もとより浅学菲才の身ではありますが、37年間、行政経験を積ませていただきましたので、力の限り全身全霊で千曲市を変えていきたいと思っております。どうかご理解とご支援をお願い申し上げます。
それでは、出馬に至った具体的な理由について申し上げます。
まず、はじめに、私の心を動かした一番の理由は、令和4年度は11人、令和5 年度は25 人、この2 年間で定年退職者以外の若手職員が36人も千曲市役所を辞めていったこと、また、現在も心の病で4人ほどの職員が休職している事実を知ったからです。
若い人の離職率が高くなっている現代社会ではありますが、この2年間で36人もの若い職員が辞職するという事態はそうとう異常だと思います。
「まちづくり」という市役所の仕事に魅力とやりがいが持てれば、そう簡単に市役所を辞めるという決断をしないはずです。
前途ある若い人たちが見切りをつけて正規職員全体の1割近くの若い優秀な人達が去っていったことは千曲市にとって大きな損失であります。
健全なまちづくりは、健全な市役所、健全な職員からであり、そうでなければ市民益が損なわれます。だからこそ、仕事への魅力とやりがいが持てない今の市役所の雰囲気を徹底的に変えたいのです。
また、今の庁内では、職員にとって自分の考えがなかなか言葉にしにくい環境であります。
市最高経営者会議である部長会議でさえも活発な意見を言えるような状態ではありません。その原因は、自由にものが言えない暗い職場環境と、市長の一言で方針が急変するため、達成感がないことです。これに人事が伴うため、モチベーションが低下しております。
それではダメなんです。この状態がまた続くとなれば市役所が本当にダメになってしまいます。職員全員が市民のため、市のために考えていることを言い合える、働き甲斐のある、明るく風通しの良い職場に私は絶対に変えたいと思います。
次に、現在進めております大型事業でございます。
私は、故近藤市長が口癖のように唱えていた「産業なくして高福祉なし」に共感しております。
私はこの考えのもと、住みやすいまちづくりには、税収を増やして、市民の暮らしを守ること、それこそが平和につながることだと考えておりますので、屋代地区の開発や市道一重山2号線、屋代スマートインターチェンジ、姨捨スマートインターチェンジなどのインフラ整備事業は、基本的に賛成です。
しかしながら、建設資材や人件費の高騰などにより当初の予算より大幅に増加しており、財政に大きな影響を及ぼしています。私もこの開発事業などに関わっていましたので、責任を持って対処しなければならないと思っており、これからは、市民の皆さん、お一人お一人に分かりやすい丁寧な説明に徹し、効率の良い投資へと変えていきたいと考えております。
続いて、大型事業その2として、総合運動公園事業でございます。戸倉体育館周辺の千曲市野外趣味活動センターと白鳥園エリアを千曲川河川敷を活用した川まちづくり事業でつなげる運動公園構想でありますが、私が岡田市政のもと、都市計画課計画係長時代に策定したものでございます。
千曲市は、室内競技団体や合宿団体が多いため、社会体育施設や小中学校の体育館は常に飽和状態で予約を取ることが大変厳しい状態であり、また、信州ブレイブウォリアーズがかつて千曲市をホームタウンだった時も、練習場所の確保などが難しい状態でありました。
このような状態であったため、市民団体活動の利便性はもちろん、交流人口の増加、並びに戸倉上山田温泉の活性化、引いては、外貨の獲得による自主財源の増加を図るため、総合運動公園構想を策定したものでございます。
折しも、令和10年に国民スポーツ大会が開催されることになり、ハンドボールの会場となることから、市議会からの提言を受け、早期に戸倉体育館が新築される方針となりました。
しかしながら私は、国民スポーツ大会に間に合わせるために限られた財源の中で中途半端な状態で体育館をつくりあげてしまうのは早計であると考えています。
やはり今後30年から40年間、利用・活用し続ける体育施設を考えるならば、利便性が高く、稼げる自立した施設として、じっくり財源の確保と施設設計に時間を掛けるべきと考えています。
(私は会見後の質問において、2年間の市民会議でまとめた総合運動公園構想はハンドボールコート2面の体育館であり、この市民会議で策定した構想どおり、私は市民の利便性や様々な大会の開催などで多くの人が集い、稼げる体育館へと見直しをしたいと答えました。)
続いて、大型事業その3、防災拠点と道の駅事業でございます。
道の駅に関しては、かねてより要望があり、かつて市では18号バイパスの進捗に合わせて整備を進めていくという方針でありましたが、地元市民の皆さんにおいて期成同盟会が立ち上がり、活発な活動と令和元年の19号台風からの教訓により、川西地区の防災拠点を兼ねる施設とのことで早期実現の要望が強くなりました。
確かに、19号台風の時は千曲川が氾濫し、千曲川に架かる市内の橋はすべて通行止めになりました。よって、防災拠点は誠に必要であると考えます。しかしながら、安全安心な地域として今やるべきことは道の駅が先ではなく、消防署、或いは消防分署の設置が、安全安心への最優先事項であると私は思っています。
市内に架かる橋が通行止めになると、火事や救急患者に対応すべく緊急自動車が川西地区に行くことはまず不可能であります。よって、ハザードマップ上安全な本事業の計画候補地とされている場所に消防署或いは消防分署の設置が是非とも必要なのであります。このため、私は、消防施設の設置に全力で努めます。そして、順次、計画的に道の駅などの整備に取り掛かりたいと考えております。
このように、大型事業に関しては、選択と集中、今やるべきことに優先・集中し、十分な議論と検討を行いながら推進すべきと考えています。
次に、財政問題です。
屋代地区開発、総合運動公園、防災拠点と道の駅の大型事業の3点セットはつまり「あれもやる、これもやる、次いでにこれもやる。」という、同時進行によるビジョンなき現市政の特長であります。
現在、財政構造の弾力性を示す経常収支比率が約95%になっているにも関わらず、三つの大型事業に多額の予算を計上しているため、コツコツと貯めてきた有事の際の基金が食いつぶされています。
また、実質公債費比率が10%を超えた現在、千曲市は財政の硬直化が正に起こり始め、起債も借りられない自治体へと近づこうとしています。
7月の部長会議では財政関係者が「このままだと退職金に手を付ける事態になるやも知れない」という意味の苦言を呈したほどであり、これでは、また職員の仕事へのモチベーションが低下すること間違いなしであります。だから今こそ、費用対効果を厳しく検証・検討し、大型事業の効率的な予算配分へ見直しが必要なのです。
次に、千曲市の学びの拠点でもある、115年の歴史を持つ屋代南高校の問題でございます。
私は、屋代南高校のPTA会長をしたことがありますので、屋代南高校の生徒の活動、特に高齢者用寝間着を市に寄付したり、生徒会が中心となって屋代駅前のイルミネーション事業など、地域行事やボランティア活動に参加して地域とのコミュニケーションを大事にしていることを知っています。
千曲市には約6万人の住民がいるにもかかわらず、高校は2校しかありません。そのうちの地域コミュニケーションを大切にしている屋代南高校が高校再編で存続が危うい状況にあります。
ご承知のとおり、屋代南高校はしなの鉄道屋代駅の近隣で交通の便が良く、電車通の学生が多くいます。閉校となれば地域の活力が失われると同時にしなの鉄道の乗降客が激減すること間違いなく、しなの鉄道の運営・経営に大きな影響をもたらします。
現在、千曲商工会議所様や戸倉上山田商工会様が中心になって総合技術高校の誘致活動に取り組んでいただいておりますが、学びの場を失うことは千曲市の衰退につながる最も重要な課題ですので、私も率先してこの問題に全力で取り組んでまいります。
以上の千曲市が抱える課題が、私が市長を目指すきっかけとなった理由でございます。
市民の皆さんがこれらの課題についてどのくらい認識しておられるかはわかりません。しかしながら、情報の公開や説明責任をしっかりと果たすことが重要でありますので、私は、市民の皆様に十分に丁寧な説明をし、皆さんの知恵や経験・体験をお聞きしながら、開かれた市政をめざしてまいりたいと考えております。
次に、暮らしを守り、住みよいまちづくりについて私の考えをお伝えします。多少長くなりますが、お許しください。
まずは、冒頭でお話をしましたように、市役所の中を変えます。健全なまちづくりは、健全な市役所、健全な職員からであり、そうでなければ市民益が損なわれます。仕事へのやりがいが持てるよう、職員みんなが市民のため、市のために声を出せる市役所にします。
次に、災害に強く、安全安心な住み良いまちをつくります。国道18号の慢性化した渋滞は、災害時の緊急物資輸送の妨げになり、喫緊の課題です。期成同盟会を軸に国に働きかけ、18号バイパスの早期完成に尽力します。
また、水害に強い千曲市をつくため、国・県と連携し、現在進めていただいている千曲川緊急治水対策プロジェクトの早期完成を目指します。
一方、千曲市の面積の約60%は森林です。国の森林環境譲与税や県の森林づくり県民税をフルに活用し、今まで以上に林業を支援するとともに森林整備を強化し、土砂崩落など、集落や下流に土砂が流れないよう山を守り、川を守り、海を守ります。また、松くい虫被害対策にも力を入れ、山が荒れないよう事業の拡大を図ります。
次に、利便性が高く、安心して暮らせるまちをつくります。
まず一つ目は、市民の足の確保です。市役所や大型スーパーなどに循環バスのハブ拠点を設け、各路線バスやデマンドバスの乗り換え連絡を容易にするほか、商業施設や医療施設を循環するバス路線の開設に向け検討を始めます。
また、買い物弱者、交通弱者になりやすい高齢者、特に免許返納者の皆さんの利便性向上、或いは免許返納を後押しするため、誰もが移動しやすく、また、過度に車に頼らないまちにするために、時刻表や固定の運行経路を持たない予約型の乗り合いバス、いわゆるAIオンデマンド交通やスマートフォンひとつで交通手段の検索から予約・支払いまで、自由に移動できる新たなサービス「MaaS(マース)」などの導入を検討し、現在の循環バスの大改革を図り「安心して歩いて暮らせるまち」を目指します。
また、将来の総合運動公園の活性化、並びに地域交通の利便性を高めるために磯部地区への「しなの鉄道新駅」設置を検討します。
二つ目は、DX化を推進し、高齢化社会における市民サービスの向上を図り、暮らしに安心をお届けします。誰もが手にするスマホの時代。市役所に来なくても郵便局やコンビニなどで通常の手続ができ、また、市役所情報や支援などが確認できる、いわば、「市役所はスマホの中にある」といったサービスの展開を検討・構築し、市民と行政の関係をスマートにします。
また、多様化する市民サービスに対応すべく自治体DXを推進し、業務プロセスを効率化し、生産性を向上させ、職員の負担軽減を図るとともにスムーズな市民サービスに取り組み、オンラインでの意見交換、市民投票の促進、政策の情報公開など、市民参加や市政の透明性の向上に取り組みます。
三つめは、年々増加する空き家や空き店舗問題の解消です。無人の建物のある地域は防犯上の心配があります。そのことから、空き家だけでなく空き店舗バンクも新設し、空き家・空き店舗活用リフォーム補助金などの充実を図りながら、まちに居住者、事業所、商業等が再び集積させ、まちに賑わいを取り戻し、安心して歩いて買い物ができる利便性の高いまちを目指します。
次に、市内産業を応援し地域の活力を高めます。私は、「産業なくして高福祉なし」という考えのもと、住みやすいまちづくりは、税収を増やして、市民の暮らしを守ること、それこそ平和につながる原点だと考えています。
産業は、人が生活するために必要な仕事であるとともに市の重要な収入の源です。よって、屋代地区の開発を推進し、雇用の拡大を図り、交流人口・定住人口の増加とともに市民所得の向上と市の財政収入の安定化を図ります。
また、市内のあらゆる産業の更なる技術力向上のため、特許開発等支援金を創設し、市内産業を全力で支援・応援します。
一方、農業従事者はじめ、若手の新規就農者や定年帰農者への支援も拡充するとともに、ふるさと納税返礼品など、千曲市産のブランド開発にも支援し、農業者所得の倍増を図ります。
忘れてはいけないのが観光です。観光も千曲市に欠かせない重要な産業のひとつです。交通の要所の地である千曲市には、戸倉上山田温泉という信州の客間、或いは信州の応接間があります。
戸倉上山田温泉から信州の主な観光地はおおむね1時間程度で行くことができることから、信州千曲観光局と更に連携強化し、信州観光のベースキャンプ地として、首都圏等々に「信州千曲市戸倉上山田温泉」を私自ら積極的にトップセールスを仕掛け、誘客に努力します。
このことから、現市政ではゼロ政策のインバウンド観光やロケツーリズムなどのシティプロモーションを積極的に推進し、「信州千曲市」をそして、「戸倉上山田温泉」の知名度の向上に努めます。
そして、そのためには小川市政になってから解散してしまった「在京千曲会」の復活に努力し、首都圏からふるさと千曲を応援していただけるよう力を注ぎます。
また、もう一つ、忘れてはいけないものとして「信州ブレイブウォリアーズ」でございます。平成22年、当時市長だった近藤市長は合併後も千曲市がなかなか一つにまとまらないことを憂い、「何かいい方法はないか?」と当時企画課にいた私に課題を与えました。そして私は当時県内でプロバスケ誘致に関わっていたこともあり、近藤市長に「プロバスケの誘致を行い、新しいものをみんなで応援すれば心の合併ができるのではないか?」と提案しました。その結果、千曲市に信州ブレイブウォリアーズが誕生したのであります。
まさに千曲市は信州ブレイブウォリアーズのマザータウンあります。しかし、小川市長はすべての支援を取りやめ、今やマザータウンの影さえ見えなくなっています。
信州ブレイブウォリアーズは男子バスケットボールの試合をするチームですが、スポーツ振興への足掛かりになったり、観光政策、シティプロモーション政策の一つでもあります。
今後は、千曲市がマザータウンとして、信州ブレイブウォリアーズとどんな「まちづくり」ができるか、協議・連携し、千曲市の元気を取り戻したいと考えております。
次に、郷土愛を育む学習機会の充実を図ります。一つ目は、屋代南高校問題です。冒頭でも申し上げましたが、千曲市の子供達の教育の場をなくされるのは大きな損失です。総合技術高校の誘致はもちもんのこと、屋代南高校の普通科の存続・復活に今一度挑戦し、全力で取り組んで、子供たちの教育する場を守ります。
二つ目は、地域コミュニティの充実です。地域コミュニティの希薄は郷土愛の希薄につながります。このことから、市内NPO法人と連携強化し、岡田市政で確立した、地域全体で未来を担う人材を育てる体制を復活させ、郷土愛を育み、将来、千曲市に戻ってきたい、千曲市に住み続けたいと思う子どもたちが増えるまちを目指します。
三つめは、地域おこし協力隊の導入などにより、棚田はじめ、千曲市の豊かな自然や歴史・産業を教育資源として活用した体験活動など、人材を育てる体制を構築します。
次に、数多くある、美しい千曲市の景観を守り続けます。一つ目は、日本遺産「姨捨の棚田」の美しい風景を将来にわたり守ります。今の姨捨棚田の現状を見ますと、これからは単に稲作を行い、田んぼの持ち主が棚田を維持していく事は大変難しく、厳しい状態であります。
今後は、農業法人等の組織や団体で、観光面や棚田を活用し、付加価値を見出し、姨捨棚田の更なるブランド化を実現し、市街地を一望できる唯一無二なこの景色を持続・発展させ、千曲市が世界に誇れる姨捨の棚田にします。
二つ目は、森のあんずの花の咲く風景や実の収穫する作業の風景など、千曲市ならではの特別な風景を守ります。一目十万本と言われた森のあんずも生産者の高齢化に伴い後継者が減少し、あんずの木の保全が待ったなしの状態です。 この「あんず」のある風景を守るため、地域の人たちと話し合い、この地に合う施策を構築します。
三つめは、土壁が残り、歴史と文化が薫る稲荷山重伝建地区の町並みを守ります。後世にこの街並みを維持続けるためにも町全体を活用し、稼げる町にしないと衰退する一方です。
そのため、地域おこし協力隊など地域に溶け込み色々な発想や実行力で町を盛り上げ、稲荷山の町を再生します。
四つ目は、戸倉上山田温泉に漂う昭和文化のある風景です。なぜか懐かしく、カラコロと下駄を鳴らしながらネオン街を歩く昭和レトロの雰囲気をこれからも残すべき文化と考えております。
五つ目は、東日本最大級といわれる森将軍塚古墳のある風景です。最大級の古墳の維持には多額の経費が掛かります。
今の風景・状態を将来に引き継ぐためにも観光分野と連携を強化し、稼げる教育的施設にしてまいります。
次に、すべての子育て家庭を応援します。少子高齢化と言われて久しく、元気な高齢者が増える一方、生まれる子どもが少なくなっています。そこには、未婚・晩婚の増加、高齢化する第一子出産、子育てと仕事の両立に対する不安等々、様々な要因があります。このことから、長野県婚活支援センターや千曲市社会福祉協議会と連携を強化し、少子化対策の一つである婚活支援事業を千曲市ならではの取り組みと支援で、安心して結婚し、幸せな家庭を築けるよう推進いたします。
また、昔から子どもは地域の宝と言われています。このことから、妊娠、出産、子育てを切れ目なく支援するため、おじいちゃん、おばあちゃんの保育園の送迎などなど、家族みんなで子育てする家庭を支援したり、お父さん、お母さんが育児と仕事が両立できるよう、子育て家族のご意見をお聞きしながら、それぞれのご家庭に寄り添い、安心して子育てできる環境を整備します。
子育てには悩みがつきもの、困ったときに気軽に相談できる「こども家庭センター」の充実を図るとともに子育て応援アプリの充実を図り、いつでもどこでも育児相談ができるよう改善・拡充し、妊娠時と出産時の応援金の増額や保育料の全面的な見直しを行います。また、全国的にも課題となっている給食費の無料化を国・県に要望してまいります。
次に、障がい者福祉と生活支援についてでございます。年々、市内の障がい者手帳保持者が増えています。誰もが個性を尊重し、ともに支えあう地域社会の実現に努めるとともに公共施設のバリアフリー化の推進や自立支援の体制を充実させ、すべての市民が暮らしやすいまちづくりを促進します。
また、障がい者や生活保護者に寄り添い、誰もが安定した生活が送れるまちづくりを推進するため、関係者や各種団体のお話をお聞きし、できる限りの支援策を検討します。
次に、人材の確保と育成支援を図ります。今後、大幅な需要拡大が見込まれる看護、介護、保育分野といった社会保障関係分野や減少傾向にある建設分野をはじめ、各産業分野において生産人口の減少における人材不足問題が深刻化しています。このため、ハローワーク、更埴職業安定協会などの関係機関と連携し、就職説明会や個別マッチングなどの人材の確保を支援するとともに企業などが行う従業員の能力開発やスキルアップへの取り組みも支援します。
また、仕事と家庭の両立ができる職場環境の改善や従業員がいきいきと働き続けられる環境づくりを推進する企業や女性が働きやすい環境を整備する企業において環境整備支援金の支給を検討します。
次に、生涯現役社会の実現と生涯現役社会に対応した生涯学習の拡充についてであります。高齢者の「健康寿命・いきがい寿命」が伸び、これまで「支えられる側」の高齢者が元気なうちは「支える側」へと変化しています。
このことから、様々な雇用・勤務形態の充実や賃金の規定の見直しなど「働きたい高齢者」の受け皿づくりに取り組む企業を支援し、生涯現役社会の実現を推進します。
また、シニア世代の従業員がイキイキと働けるよう役職定年や報酬などの制度面の改革や高齢者ということが不利益に働かないように多様性を受け入れる組織づくりに取り組む企業も推進・支援します。
一方、人生100年と言われる時代、私たちを取り巻く環境は激しく変化する中で、一生における生き方を考えることの重要性が指摘されています。
このことから、市民一人一人の「充実したライフキャリア」の形成に向け、小中学校や高校などの教育機関、また長野県や関係機関などが開催する講座などの取り組みと連携し、育児休業期間中や転職・再就職準備期間中にライフキャリアを再構築できるよう、市民ニーズのある必要な支援プログラムをデザインし、提供してまいります。
また、「年齢にとらわれない生き方」を認めるには企業や個人の意識改革が必要です。少子高齢化が進み、人口が減少しつつある地方では年齢に捉われない意識を持つ高齢者のパワフルな活動が地域の活力を底上げする存在になっています。そのため、まずは健康であるための「いきがい寿命延伸講座」や「健康イベントの開催」、また、「歩けば買い物ポイントがたまる」健康ポイント制度の創設など、健康増進に係る施策を推進します。
最後に、カムバック採用の導入でございます。市行政に携わっていた経験者は即戦力そのものです。そのため、長野県や最近では松本市でも導入しましたが、千曲市では、この小川市政の4年間、40人以上もの若い職員が市役所を去っています。離職者の思いは個々に違うと思いますが、現市政への失望で辞職した元職員がいるのであれば、是非、この「カムバック採用」を導入したいと考えています。
以上、私が実現したい政策を述べさせていただきました。
すべて、市職員として千曲市民の皆さまの下で勉強させていただいた「まちづくり」と「積み重ねた経験」を活かし、必ず実行・実現したい政策でございますが、これらは私の思いだけでありますので、これからもっともっと多くの市民のみなさまのお話しやご意見をいただくなかで、より良い政策を打ち出していきたいと考えております。
しかしながら、事業に関わる市民の皆さんとの調整や財源の確保などの財政的な事情で、すぐには実行できないかもしれません。しかし、まちづくりの方向性だけはブレなくしっかりと構築し、あの時の市政があるから今があるといわれる市政を行いたいと考えておりますので、是非とも全市民の皆様のご理解とご支援のほど、よろしくお願いを申し上げます。
私のほうからは以上でございます。
本日は誠にありがとうございました。